交通部の元警察官が「点数制度のホント」を分かりやすく説明しています。
交通違反をして切符を切られてしまったときや運転免許の更新時など、自分の点数は何点になっているのかと気になることは多々あります。
点数制度を簡単に言うと、交通違反に点数を決めて運転者にペナルティを与えていくもので、将来的に違反を重ねた人に対して、停止処分や取消処分等を与える制度です。
点数制度はとても奥が深いので、今回は皆さんが気になる点数の計算方法（特例）と点数の確認方法を分かりやすく説明します。（処分とは、取消し・拒否・保留・運転禁止のことをいいますが、今回は停止についても処分として説明します。）
基本的な点数制度のしくみ
点数制度は、過去3年間の交通違反や交通事故に対して点数を付し、その累積点数が一定の基準に達した場合に、運転免許の効力の停止や取消しなどの処分をする制度です。
累積点数が6点以上になってしまうと免許停止処分の対象となります。（３年以内に免許停止や取消しの前歴がない場合）
ですから、交通違反をして「点数がひかれると言う方もいますが、正しくは「点数が加算される」ということになります。
最後の違反や事故から、3年間無事故無違反であれば点数は戻りますが、次のとおり「点数計算上の特例」が運用されています。
（３年間の縛りを考えると、かなり奥が深くなってしまうので、点数の計算については、次の「点数計算上の特例」を覚えておくと理解しやすいです。）
点数計算上の特例
① 1年以上、無事故・無違反であったときは、それ以前の違反や事故の点数は加算されません。
② 2年以上、無事故・無違反であった者が、軽微な違反（点数が3点以下の違反）をした場合、その後3ヵ月、無事故・無違反であったときは、その点数は加算されません。
しかし、上記の場合でも、点数が加算されないだけで、違反歴としては残るので、免許更新などには影響してしまいます。
①1年以上無事故・無違反であったときの例
②2年以上無事故・無違反であった者が、軽微な違反をしたときの例
交通違反の点数一覧
各県警の一覧表を確認したところ、神奈川県警のものがとても理解しやすかったので、下記をクリックしてください。
累積点数の確認方法
自分の違反履歴や累積点数を確認するのに、警察官に聞いても教えてくれません。
運転免許証や交通違反・交通事故に関する記録は、自動車安全運転センターが集約して管理していますので、ここに申請することで「運転経歴に関する各種証明書」を送ってもらうことができます。
運転経歴に関する各種証明書とは、「無事故・無違反証明書」「運転記録証明書」「累積点数等録証明書」「運転免許経歴証明書」のことですが、違反履歴や累積点数を知りたい場合は「運転記録証明書」と申請するとよいでしょう。
運転記録証明書には、過去５年（申請期間による）の交通違反や交通事故、行政処分の年月日や内容、点数がすべて記載されています。
申請方法は２つあり、書面での申請とインターネットによる申請です。
書面での申請
証明書の申請用紙（振込用紙付）は、警察署、交番、または自動車安全運転センターにあります。
この振込用紙で、ゆうちょ銀行・郵便局、自動車安全センターで払込むと、約1～2週間で住所地に運転記録証明書が届くことになっています。
即日交付は行っていません。
料金は、１通670円（ほかにゆうちょ銀行等では振込手数料）がかかります。
インターネットによる申請
１ スマートフォンで「運転経歴に係る証明書申請アプリ」を入手し、自分のアドレスを入力します。
申請用のURLが届くので、そのURLを開きます。
２ インターネット申請に関する条件が示されるので確認します。
３ 必要な料金は、手数料670円と振込手数料132円（合計802円）がかかること等、その他留意事項に同意します。
４ 必要な通数を入力します。
５ 支払方法（コンビニ・ATM・ネットバンク）を決めて、802円を払込みをします。
６ 約１～２週間で、免許証記載の住所地に運転経歴証明書が送られてきます。
点数制度のまとめ
今回は、点数制度について説明しましたが、もちろん点数制度によらないで受けるペナルティもあります。
自らが運転していなくても、無免許運転、酒気帯び運転、ひき逃げ等をそそのかした場合や道路以外で人身事故を起こした場合などは、免許取消しや停止等の処分を受けることもあります。
点数制度を含めて、これらはすべて道路交通上の危険を防止するために、危険性がある運転者を排除する必要があるということに基づいているといえます。
私自身も交通事故や交通違反に気を付けますが、皆さんも交通事故などに気を付けて、安全運転に心がけてください。
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