どのように大型特殊免許(農耕車限定)を取るのが、一番簡単でお金をかけずに取れるのでしょうか。
実際にこの免許を取得したので、その経過をお伝えします。
また、どんな場合に大型特殊免許が必要なのか?についてもお話しします。
大型特殊免許(農耕車限定)が必要な場合
畑の中だけ(公道以外)でトラクターを使用した作業をするのには、免許は必要ありませんが、トラクターの保管場所から畑へ移動する場合など公道を走らせるときには、トラクターの大きさに応じた運転免許が必要となります。
小型特殊免許で運転できるトラクター
長さ:4.7m以下
幅 :1.7m以下
高さ:2.0m以下(ヘッドガード等がある小型特殊自動車の場合、ヘッドガード等を除いた高さが2.0m以下のものは2.8m以下)
最高速度:15km/h以下
(ロータリーなどの作業機を付けて走行する場合、装着時のサイズも同じ)
よって、車の普通免許を持っている人が、上記の寸法等を超えるトラクターで道路を走るには、大型特殊免許が必要ということになります。
大型特殊免許(農耕車限定)を取得できる機関
農林大学など
各県の農林大学では、比較的安価で農耕車限定の大型特殊免許を取得できます。(「農林大学」の名称ではなく「農林研修所」等の名称を使用している機関もあります)
メリット
・テキスト代や印紙代のみで取得できるので、お金をかけずに取得できる
・入校することで、講習、実技試験、免許証交付までが一連の流れになっていることが多い
デメリット
・農業者や就農予定者であることなどの入校条件がある
・講習や試験日(年に数回)が決められているため、日程の調整が必要である
・募集人数を超える応募があることがあり、入校できない場合がある
地元のJA(農業協同組合)
こちらも手頃な料金で取得できますが、講習の実施回数が少なく、地域によっては行っていないJAもあります。
メリット
・テキスト代、印紙代、燃料代などのみで、比較的安価に取得できる
・入校することで、講習、実技試験がセットになっていることが多い
デメリット
・年に1~2回程度しか実施していない(そもそも講習を実施していないJAがある)
・募集人数が少ない
・免許取得には農業者である等の条件がある場合がある
自動車教習所
大型特殊免許(農耕車限定)の教習を行っている教習所で取得できますが、他に比べて高額な料金がかかります。
メリット
・入校条件はない
・講習や試験日の日程を気にせずに自分で調整できる(決められた日程で受講しなければならない教習所もある)
・いわゆる一発免許で試験が受けられる
デメリット
・10万円以上の料金がかかる
実際に免許を取ってきました
今回は、群馬県農業大学校で大型特殊免許(農耕車限定)を取得しましたので、その流れについてお伝えします。
研修要項
参加条件
住所:群馬県に住所がある
年齢:18歳以上70歳以下
職業:農業者、関係機関の職員、農林大生など
免許:普通免許を持っていること
なお、令和6年度の大型トラクター技能研修の実施内容は、こちらです。
(令和7年度は、ホームページに掲載されていませんでしたので、参考程度にご覧ください)
申込み
研修は農林大学校で行いましたが、申込みは地元の農業事務所で申請用紙を提出します。
提出後は、研修に参加できるか否かの連絡を待つことになります。(応募人数による)
研修カリキュラム
研修は、下表のとおり8日間で行われ、実技の検定試験も含まれています。(学科試験は不要)
なお、7日目のトラクター研修は任意参加です。

実技検定試験を詳しく
検定試験は農林大学校のコースを利用するため、免許センターから検定員が派遣されます。
○試験の集合場所で、検定試験コースが示達されます。(2コースのうちどちらか)
○受験番号順に試験を受けますが、コース内は2人同時に試験が行われる(常に2台のトラクターが走行)ので、他車の動きに注意が必要です。
○採点は減点方式で行われ、100点満点中70点以上で合格です。
・安全確認を1つ怠ると-5点などと減点
・教官から教わったとおりに走行する
・一時停止や信号は決められたとおりに
・進行妨害などの危険行為は試験中止
正味5分間程度の試験ですが、とにかく教わったとおりに走行させることが大事です。
今回は、受験者全員が合格することができました。
かかった料金
研修にかかる費用は無料です。
免許取得のための費用
・テキスト代 500
・受験手数料 2,600円(群馬県証紙)
・免許交付料 2,350円( マイナ免許証のみの場合は1,550円、免許証とマイナ免許証2枚を希望する場合は2,450円)
合計5,450円で取得できました。
その他の注意点
・教官の指示は絶対です(安全管理のために重要です)
・研修中は、長袖長ズボンの着用が必須です(厳格に求められます)
・長靴は滑りやすいため、使用禁止です
・試験に不安がある方は、居残り練習をお勧めします(教官が個別指導を行います)
・夏季研修は非常に暑いため、こまめな水分補給を心がけてください
トラクターを公道で運転するには、その大きさなどに応じた運転免許が必要です。
大型特殊免許を持たずに、規定サイズより大きなトラクターを運転してしまうと、無免許運転とみなされ、罰金だけでなく、これまで取得していたすべての免許が取り消される可能性があります。 (なお、小型トラクターは普通免許で運転可能です)
安価に取得できる場合もありますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「のんびりさん」のんびりと山を歩こう 女性ガイドが登山ガイドをしています




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