畑の鳥獣害が深刻な問題となっていることもあり、猟銃(銃器)が使用できる第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃、空気銃)を群馬県で取得しました。
今回は、事前講習や試験に関するホントや免許申請で一番困ったこと(診断書の取得)などについもてお伝えします。
狩猟免許の種類
第一種銃猟免許:装薬銃(散弾銃、ライフル銃等)と空気銃
第二種銃猟免許:空気銃のみ
わな猟免許:わな(くくりわな、はこわな、はこおとし等)
網猟免許:網(むそう網、はり網、つき網等)
今回は、上記のうち第一種銃猟免許を取得しましたが、受験申請や事前講習に関する基本的な流れは、どの免許も同じです。
狩猟免許試験の申請方法
仮申請
まず、受験したい日の約1か月前に、群馬県ホームページから仮申請を行います。
仮申請の申込み人数が多い場合は、抽選で受験できるかどうかが決まります。
(他の県の場合、仮申請の必要がない場合が多く、この場合の申請は、先着順で行われるので注意が必要です。)
仮申請後、受験できるか否かは、仮申請で申し込んだメールアドレスに返信されます。
申請書類等
・申請書(書式はホームページからダウンロードできます)
・顔写真(3センチ×2.4センチ)
・群馬県証紙(5,200円分)
・医師の診断書(書式はホームページからダウンロードできます)
・返信用封筒(切手を貼付する)
申請方法
申請書類等を住所地を管轄する森林事務所で申請を行います。
森林事務所の窓口のみの受付です。
ここでは、申請書類等のチェックを行い、狩猟読本を無料でもらえます。
この日から、狩猟読本をもとに勉強を始められます。
狩猟読本は、申請した森林事務所でもらえます
狩猟読本には、法律・規則や銃やわなの取扱い、また狩猟鳥獣についてなど詳細が記載されています
この多くの部分が試験範囲です
試験前の事前講習のホント
事前講習では、知識試験や実技試験のポイントを説明してくれますので、参加するべきだと思います。
試験の1週間前に猟友会の方々主催で行われます
受験者のほとんどが参加しているようです
参加者には無料で「例題集」が配られます
知識試験に対する講習は、こちらの申請時にもらった「狩猟読本」の説明です
大事な箇所に印をするよう言われるので、マーカーなどで線をひきます
実技試験に対する講習は、あらかじめ試験内容のシナリオが配布されます。
シナリオに沿って猟友会の方々が見本を見せてくれます
自分が扱いやすい銃(自動銃や二連銃など)を決めておこくとができ、実際に実技試験で取扱う銃を手に取って、何度も練習ができます
受験者は、猟銃を取り扱ったことがない方がほとんどだと思いますので、特に実技試験は、この事前講習に参加しないと、合格することは難しいかもしれません。
例えば、「歩く際は薬室をどうするか」、「銃の授受の詳しいやり方」、「空気銃の場合の圧縮回数は」などなど、細かい動きが分からないので、事前講習はとてもありがたいです。
狩猟免許試験(銃猟)のホント
試験の種類は5種類
1 適正試験
2 知識試験
3 鳥獣の判別試験
4 距離の目測試験
5 実技試験
1 適性試験
受験の受付を済ませると会場へ案内され、5人1組になります。
係員が「私と同じ動きをしてください」と言うので、そのとおりに行います。
・手を開いたり閉じたり(ぐーぱーぐーぱーをする)の動作
・腕を前に伸ばして、指だけ動かす動作
・屈伸(くっしん)の動作
上記動作が終了後、
・視力検査(両眼で0.7、かつ片眼で0.3以上)
を行い適性試験は終了となります。
2 知識試験
30問三者択一(90分間)
事前講習で示された大事な箇所(印をしたところ)が試験に出ます。
言い回しを変えるなどのひっかけ的な問題はありませんでしたが、確実に覚える必要があります
3 鳥獣の判別試験
試験会場の前方にプロジェクターが準備され、スクリーンに映った鳥獣について、狩猟できるかできないかを問う試験です。
あらかじめ配られている解答用紙に、狩猟鳥獣の場合は、「〇印とその鳥獣名」を記入し、非狩猟鳥獣の場合は「×印のみ」を記入します。(全16鳥獣)
多数の鳥獣が対象ですが、狩猟読本のカラーページのイラストが、そのまま出題されますので覚えやすいです
4 距離の目測試験
県庁の屋外が試験会場となっていて、会場には3個のセフティーコーンが置かれています。
地面には印があり、その印の場所に立つように指示されます。
立った場所から3個のセフティーコーンまでの距離、および、隣のビルまでの距離を問われる試験です。
基本的には、「300m、50m、30m、10m」の4つの距離を回答すればよいです。
5 実技試験
4名一組で行われ、各々「A」から「D」の記号で指示されます。
特に、銃器の受け渡し試験は、記号により動作が異なるので、自分の記号をしっかり把握しておきましょう。
それぞれの配置場所は、下の図のとおりです。
試験官や他の受験者は、猟野にいる人と考慮して行動する必要があります。
実技は、下記のとおりでいくつかの項目がありますが、すべて一連の流れで行います。
散弾銃
銃器の分解
銃器の結合
装填(模造弾)・射撃姿勢・脱包
団体行動の場合の取扱い
銃器の受け渡し
休憩時の取扱い
空気銃
圧縮操作
装填・射撃姿勢
すべて事前講習で配られた「銃の取扱い(シナリオ)」のとおりに問題が出ますので、よく覚える必要があります
最大の減点ポイントは、
銃口を人の方向に向けている
用心鉄の中に指が入っている
などですが、銃腔内の異常の有無の確認や射撃姿勢などもチェックされるので、「シナリオ」を熟読しておきましょう。
都道府県により申請方法や料金が違います
下表は、関東近県の一部の例ですが、都県により申請方法や事前講習の料金等に違いがあります。
各都県の申請等の詳細は、ホームページを参考にしてください。
東京都
ttps://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/birds/hunting_license/test
埼玉県
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0508/tyouzyu/syuryomenkyo/shiken.html
神奈川県
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t4i/cnt/f986/p889835.html
栃木県
https://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/eco/shizenkankyou/shizen/syuryomenkyo.html
群馬県
https://www.pref.gunma.jp/page/637096.html
受験の申請で困ったこと
今回の試験対策はある程度の勉強をしてので、大変だったことは間違いないのですが、一番困ったことは、医師の診断書の取得です。
受験資格には
1 統合失調症、そううつ病など狩猟に支障を及ぼす病気にかかっている者
2 麻薬、大麻等の中毒者
3 自己の行為の是非と判別などできない者
と定められています。
精神科等にかかったことがない人や日頃からかかっている病院がない人は、診断書を書いてくれる医者が見つからないことがあります。
現に私も、「狩猟免許を取りたいので診断書を書いてもらえますか?」と多くの病院に問合せしましたが、なかなか見つかりませんでした。
県の狩猟免許担当の係員や地元の森林事務所の係員に聞いたりもしましたが、「個人で各病院に聞いてください」とのことで、病院の名簿を見つつ片っ端から電話して聞くしかありませんでした。
結局、10件目ほどの病院に電話すると、書いてもらえるとのことでしたので、無事に診断書を入手することができました。
(この病院名はオープンにはしませんが、この病院には精神科はなく、また精神的な内容にかかる診察もありませんでしたが、書いていただいたことに感謝です)
SNSなどを見てみると、やはり診断書を入手するのに苦労している方が多いようです。
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